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パンハウス インサイト
画像生成AI基礎プロンプト2026.07.17

画像生成AI、結局どれがおすすめ?——モデルごとの「性格」で使い分ける

画像生成AIと聞くと、少し前までは「きれいな絵を作るもの」という印象が強かったかもしれません。

いまは状況が変わっています。写真のような画像を作る、ポスターに文字を入れる、商品写真の背景だけ変える、同じ人物を別のシーンに登場させる、既存のラフをもとに仕上げる——こうした作業ごとに、向いているモデルが分かれてきました。

つまり、画像生成AIは「どれが一番すごいか」で選ぶものではなく、何を作りたいかで選ぶものになっています。

この記事では、まず企業でも触りやすいGPT Images 2、Nano Banana 2、Adobe Fireflyを中心に整理します。そのうえで、よりビジュアル制作に寄ったMidjourney、開発者・制作ワークフロー寄りのFLUX、文字や図解に強いSeedream 5.0 Proなども「知っておくと選択肢が広がるモデル」として軽く扱います。細かいベンチマークの順位ではなく、「仕事で使うなら、どの違いを見ればいいのか」を押さえていきます。なお、ここで扱うのは静止画の生成・編集です。SoraやVeoのような動画生成モデルは、別のテーマとして扱います。

まず押さえたい5つの違い

画像生成AIの違いを見るとき、モデル名だけを追いかけると混乱します。新しいモデル名は頻繁に出ますし、同じサービスの中でも「Pro」「Flash」「Ultra」、あるいは世代番号の違うモデルのように複数の選択肢があります。

そこで、まずは次の5つに分けて見ると理解しやすくなります。

見るポイント何が変わるか
見た目の強さ写真らしさ、雰囲気、構図、質感
指示への忠実さ指定した要素・位置・条件をどれだけ守るか
文字の扱いポスター、看板、ロゴ、図解の文字が読めるか
編集のしやすさ既存画像の一部だけを変えられるか
業務での使いやすさ商用利用、API、Adobe連携、社内導入のしやすさ

たとえば「幻想的でかっこいいビジュアルが欲しい」のか、「営業資料に入れる図解が欲しい」のか、「商品の色だけ変えたい」のかで、選ぶべきモデルは変わります。

下の3枚は、同じ「深い青の無地マグカップを、明るいオフィスで商品写真のように見せる」という条件で生成した例です。どれも条件は満たしていますが、GPT Images 2は商品単体をすっきり見せ、Nano Banana 2は空間の自然さが強く、Fireflyは広告写真のような明るさと質感が出ています。

GPT Images 2Nano Banana 2Adobe Firefly
白く明るいオフィスを背景に、深い青の無地マグカップが中央に大きく置かれている。商品単体を見せる構図で、背景は強くぼかされている白い机の上に深い青の無地マグカップが置かれ、左奥に観葉植物、右奥に家具が見える。自然光の入る生活感のあるオフィス空間として表現されている明るい白いオフィス空間の中で、深い青の無地マグカップが中央に置かれている。全体に青みがかった光で、広告写真のような清潔感がある

この点は、文章生成AIとよく似ています。AIモデルはどこが進化するのかでも触れたように、AIの更新は単に「賢くなる」だけではありません。速度、価格、扱える情報量、得意な作業がそれぞれ変わります。画像生成AIでも同じで、モデルごとに強い方向が違います。

GPT Images 2——会話しながら直すのが得意

ChatGPTで画像を作るときに使われるGPT Images 2は、会話しながら作る用途に向いています。

たとえば、最初に「研修資料の表紙に使う、生成AIと人が協働しているイメージ」と頼む。出てきた画像を見て、「もう少しビジネス寄りに」「文字を入れて」「人物はそのままで背景だけ明るく」と直していく。こうしたやり取りが自然にできます。

強いのは、次のような場面です。

  • ラフなイメージを言葉で詰めていく場面
  • 既存画像をもとに一部だけ変える場面
  • 文字入りの図解やポスターを作る場面
  • チャットの文脈を使って、前の指示を踏まえながら直す場面

一方で、芸術作品のような強い作家性や、何も説明しなくても一発で「映える」ビジュアルを出す用途では、後ほど紹介するMidjourneyのような画像生成専用ツールがしっくりくることもあります。

仕事で使うなら、GPT Images 2は「画像生成ツール」というより、画像を作れる編集アシスタントとして考えると分かりやすいです。完成形を一発で出すより、下書きを出して、会話しながら寄せていく使い方が向いています。

Midjourney——ビジュアル制作に寄った専門ツール

Midjourneyは、画像生成専用ツールとして長く使われてきた代表的なサービスです。写真風、映画風、イラスト風、ファッション、建築、コンセプトアートなど、一枚絵としての完成度が高く出やすいのが特徴です。

2026年7月時点では、標準モデルはV8.1です。プロンプトへの追従、画像の一貫性、テキスト描画などが強化されています。参照画像から人物や物体の一貫性を保つOmni Referenceのような機能も、制作の方向性を揃えるうえで重要です。

強いのは、次のような場面です。

  • Webサイトや記事のキービジュアル
  • コンセプトアート、ムードボード
  • ブランドの世界観を探る初期案
  • 「言葉で説明しきれない雰囲気」を形にする作業

ただし、パンハウス インサイトの読者が最初に触るべき必須ツールかというと、そうではありません。記事やLPのアイキャッチを本格的に作り込みたい、世界観の案をたくさん出したい、という場面では強い。一方で、研修資料、社内図解、日本語文字入りバナーなら、まずはChatGPTやGemini、Fireflyで十分なことも多いです。

Adobe Firefly——商用制作とAdobe連携に強い

Adobe Fireflyは、PhotoshopやIllustrator、Expressなど、Adobeの制作環境とつながる画像生成AIです。AdobeはFireflyを「商用利用に配慮した生成AI」として打ち出しており、企業や制作チームで使う場合に検討しやすい選択肢です。

2026年7月時点では、Adobe Firefly Image Model 5が一般提供されています。ネイティブ4MP出力、人物表現、レイヤーを意識した編集、カスタムモデルなどが強化されており、単なる画像生成だけでなく、制作フロー全体に寄せた進化が目立ちます。

もうひとつ重要なのは、FireflyがAdobe製モデルだけを使う場所ではなくなっていることです。Firefly内では、Adobeのモデルに加えてGoogle、OpenAI、Runwayなど複数社のモデルを選べるようになっています。つまりFireflyは、個別モデルそのものというより、複数の生成モデルを制作環境の中で使い分ける入口としても機能します。

強いのは、次のような場面です。

  • 企業の制作物に使う画像のアイデア出し
  • Photoshopでの背景生成・部分修正
  • Adobe ExpressでのSNS画像やバナー制作
  • 既存のAdobeワークフローに組み込む作業

ポイントは、モデル単体の性能だけではありません。実務では「作った画像をどこで編集し、誰が確認し、どの形式で納品するか」まで含めて考える必要があります。その意味で、Fireflyは制作現場の道具として組み込みやすいのが強みです。

逆に、ChatGPTのように会話しながら自由に発想を広げる体験や、Midjourneyのような強い作家性を期待すると、少し違う印象になるかもしれません。

Nano Banana 2——速く、安く、大量に回す方向

Googleの画像生成は、以前はImagenの名前で語られることが多くありました。ただし2026年7月時点の公式ドキュメントでは、Imagen系からGeminiの画像生成モデル、いわゆるNano Banana系への移行が案内されています。

Nano Banana 2(Gemini 3.1 Flash Image)は、速度とコストのバランスを重視した画像生成・編集モデルです。より複雑な制作ではNano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)も候補になりますが、企業でまず試すならNano Banana 2が現実的な入口です。Google Searchによるグラウンディング、さまざまなアスペクト比への対応、多言語の文字描画など、アプリや業務システムに組み込むことを意識した機能が目立ちます。

強いのは、次のような場面です。

  • アプリに画像生成機能を組み込む
  • 大量の画像案を低コストで試す
  • テキストと画像を組み合わせた編集を行う
  • Google WorkspaceやGemini、Googleの開発環境を使っているチーム

ここで大事なのは、「生成の美しさ」だけでなく、運用しやすさです。たとえばECの商品画像を大量に作る、社内ツールでサムネイル案を自動生成する、教育コンテンツに合わせた挿絵を一括生成する。こうした用途では、1枚の最高品質よりも、速度・価格・APIの扱いやすさが効いてきます。

一般ユーザーが1枚の画像をじっくり作るというより、開発者や企業が「仕組みの中で使う」イメージに近いモデル群です。

FLUX系——開発者・制作ワークフロー寄りの選択肢

Black Forest LabsのFLUX系モデルは、開発者や制作ワークフロー寄りの画像生成モデルとして注目されてきました。2026年7月時点ではFLUX.2が中心になっており、テキストからの画像生成だけでなく、画像編集、複数参照画像、文字、色指定、構図制御などを強化しています。

FLUX.2は、最大10枚の参照画像を使った編集や、4MPまでの出力、細かな色指定、ポーズ指定など、制作ワークフロー寄りの制御が特徴です。さらに一部のモデルはオープンウェイトとして提供されており、自社環境や独自の開発環境で扱いやすい点もあります。

強いのは、次のような場面です。

  • 同じ人物・商品・キャラクターを保ったまま別シーンを作る
  • 複数の参照画像を組み合わせて新しい画像を作る
  • APIや自社システムに組み込む
  • ローカル実行やカスタマイズを検討する

たとえば、同じキャラクターを使って広告バナーを何十パターンも作る、商品の形は保ったまま背景や色だけ変える、ブランドカラーを指定してビジュアルを量産する。こうした用途では、参照画像と編集の強さが重要になります。

ただし、これも一般ユーザーが最初に触るモデルというより、画像生成をワークフローに組み込みたい人向けの選択肢です。普段ChatGPTで画像を作っている人が、いきなりFLUXを覚える必要はありません。自社ツールに画像生成を組み込みたい、ローカル実行やカスタマイズを検討したい、制作会社として大量生成の仕組みを作りたい——そうなったときに候補に入るモデルです。より広く見ると、Stable Diffusion系も同じく自社環境でのカスタマイズやローカル実行を検討するときの候補になります。ただし、モデルや配布形態によってライセンスや必要な環境が変わるため、導入前の確認は欠かせません。

Seedream 5.0 Proなど——文字や図解に強い新しい選択肢

主要モデルとしてGPT Images 2、Nano Banana 2、Fireflyを押さえるだけでも十分ですが、文字入り画像や図解を作るなら、最近出ているモデルも軽く知っておく価値があります。

Seedream 5.0 Proは、ByteDance系の画像生成モデルとして、広告バナー、インフォグラフィック、参照画像を使った生成、多言語テキスト描画を強く打ち出しています。Runwayなど複数の制作ツールからも利用できるようになっており、最近はGPT Image 2やGemini系モデルとの比較対象として名前が出ることが増えています。日本語入りバナーや図解を作るなら、比較候補に入れてよいモデルです。

Ideogramは、早くから「画像の中の文字」に強いモデルとして知られてきました。ロゴ、ポスター、Tシャツデザイン、広告風のビジュアルなど、文字と画像が一体になった制作物で候補になります。

Recraftは、デザイン言語に強いモデルとして打ち出されており、テキストのサイズや位置、スタイル制御、ベクター風の表現など、デザイン作業に近い使い方に向いています。

このあたりのモデルは、「画像生成AI」というより、デザイン制作の初期案を出す道具として見ると分かりやすいです。とくに文字入りの画像を作りたい場合は、汎用モデルだけでなく、こうしたデザイン寄りのモデルも試す価値があります。

ただし、日本語の文字を入れたい場合は注意が必要です。英語のロゴや短いコピーはきれいに出せても、日本語になると漢字の一部が崩れる、ひらがな・カタカナが混ざる、意味は合っているのに字形が不自然になることがあります。日本語バナーや研修告知、図解を作るなら、GPT Images 2、Nano Banana 2、Fireflyをまず試し、必要に応じてSeedream 5.0 Proのような文字・図解に強い新しいモデルも比較するのが安全です。

用途別のおすすめ——こう考えて選ぶ

ここまでの話を、実務の用途に寄せて整理するとこうなります。

作りたいもの候補になりやすいモデル
記事やLPのキービジュアルGPT Images 2、Firefly、Midjourney
研修資料や図解に入れる画像GPT Images 2、Nano Banana 2、Firefly
文字入りポスター・バナーGPT Images 2、Nano Banana 2、Firefly、Seedream 5.0 Pro
商品写真の背景変更Firefly、GPT Images 2、Nano Banana 2
同じ人物・キャラクターを使った複数画像GPT Images 2、Nano Banana 2、FLUX.2
アプリや社内ツールへの組み込みNano Banana 2、OpenAI API、FLUX.2
自社環境でのカスタマイズFLUX、Stable Diffusion系

もちろん、これは固定の正解ではありません。モデルは頻繁に更新されますし、同じモデルでもプロンプトや参照画像の渡し方で結果は変わります。

ただ、最初から「一番強いモデルはどれか」と考えるより、自分が作りたいものは、どの能力を必要としているのかから考えるほうが失敗しにくくなります。

画像生成AIを業務で使うときの注意点

画像生成AIを仕事で使うときは、きれいな画像が出るかどうかだけで判断しないほうが安全です。

まず、権利と商用利用の確認が必要です。生成物を広告、Webサイト、資料、販売物に使う場合、利用規約やライセンスの確認は避けられません。Adobe Fireflyのように商用利用への配慮を強く打ち出しているものもあれば、オープンウェイト系のようにモデルごとにライセンスが異なるものもあります。

次に、人物・企業ロゴ・実在ブランドの扱いです。実在する人物に似せた画像や、企業ロゴを含む画像は、誤解や権利問題につながる可能性があります。社内資料ならまだしも、公開物では慎重に扱うべきです。

そして、出力をそのまま信じないことも重要です。画像生成AIは、もっともらしい図解や画面UIを作れますが、細部が間違っていることがあります。表の数字、地図、医療・法律・安全に関わる図、製品仕様の説明などは、人間が必ず確認する必要があります。これは文章生成AIのハルシネーションと同じで、見た目が自然でも中身が正しいとは限りません。

公開物で使う場合は、AI生成であることをどう示すかも考えておきたいところです。OpenAIの画像生成にはC2PAメタデータとSynthID透かしの両方が付与され、GoogleのGemini系画像にもSynthIDが入ります。Adobe FireflyもContent Credentialsを自動的に付与する仕組みを持っています。ただし、SNS投稿、スクリーンショット、再圧縮、画像編集の過程でメタデータが失われることもあります。重要な公開物では、画像そのものの来歴情報だけに頼らず、社内ルールとして「どのモデルで、いつ、どのプロンプトで作ったか」を残しておくと安心です。

文章生成AIと同じく、画像生成AIも「完成品を丸投げする道具」ではありません。下書きや案出し、編集の加速には強い。でも最終的に、何を公開してよいかを判断するのは人間です。

まとめ——モデル名より、用途で選ぶ

画像生成AIは、すでに「ただ絵を描くAI」ではなくなっています。

GPT Images 2は、会話しながら直すのが得意。Nano Banana 2は、速度・コスト・API利用で使いやすい。Fireflyは、Adobe連携と商用制作の安心感がある。Midjourneyは、一枚絵としての美しさや雰囲気に強い。FLUX系は、参照画像や編集、開発者向けの自由度が強い。さらにSeedream 5.0 Proのように、文字や図解に寄った新しいモデルもあります。

大事なのは、「どのモデルが一番か」ではありません。

何を作りたいのか。どこまで正確さが必要なのか。公開物なのか、社内のたたき台なのか。1枚だけ作るのか、大量に作るのか。

この問いから逆算すると、画像生成AIの選び方はかなり整理できます。

まずは同じプロンプトを複数のモデルに投げてみるのがおすすめです。出てきた画像を比べると、モデルごとの「性格」は思った以上にはっきり見えてきます。画像生成AIを使いこなす第一歩は、プロンプトの書き方を磨くことだけでなく、モデルごとの得意・不得意を見分けることです。

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