【AI研修導入インタビュー】「AIは怖い」から「AIは相棒」へ──ウィルズ社員20名の意識改革ストーリー
株式会社ウィルズが、パンハウスの「生成AI研修」を導入。研修開始からわずか数ヶ月で、業務効率と品質の双方を向上させた事例をご紹介します。
左から
株式会社ウィルズ
常務取締役
コーポレートコミュニケーション本部長
山本 章代様
コーポレートコミュニケーション本部
CCソリューション部 1グループ リーダー
本間 恵様
コーポレートコミュニケーション本部
CCソリューション部 2グループ Vice President
長尾 直治様 株式会社パンハウス
取締役CBO
土戸悠生
労働集約型業務に限界。100ページ超の統合報告書を手作業で…
土戸:事業内容やサービスについて教えてください。
**長尾様:**弊社は「上場企業と投資家を繋ぎ、効率的な資本市場の形成と企業価値最大化を支援すること」をミッションに、IRやサステナビリティ開示支援を展開しています。
私たちが所属するサステナビリティソリューション部門は、統合報告書のストーリー作成を主業務としており、企画段階からお客様と伴走し、デザイナーやライターと連携しながら提案・制作を行っています。
土戸:導入前はどんな課題がありましたか?
**長尾様:**特にコミュニケーション領域の制作業務は、労働集約的な作業が多く、DXによる業務効率化が課題でした。約100ページの冊子を企画から執筆、デザイン、翻訳、チェックまで全て手作業で行っていました。納期が動かせないIR関連ツールでは特に負荷が高く、残業や過重労働も課題でした。
決め手は“現場に直結するプログラム”
土戸:数あるAI研修の中で、なぜパンハウスを選ばれたのでしょうか?
**山本様:**松尾研のスタートアップであることが関心をもつきっかけでしたが、強みは何かと聞いたところ、実績やエンジニアの数ではなく「世界最先端のAI関連の論文を読みまくっていること」という回答に、他のAIベンチャーとの相違を感じました。異次元の進歩を遂げるAIの世界で最先端の知見を取り入れられることは大きな魅力でした。
**長尾様:**最終的な決め手は通り一遍のAI研修ではなく、当社が抱える業務上の課題を共有した上で、私たちの現場業務に直結する内容を一緒に設計してもらえた点が大きな違いでした。「ただ知識を学ぶ」ではなく、「明日から使える」研修になると感じ、迷わずお願いしました。
仕組みを理解し、“不安”を“安心”に変える研修内容
土戸:実際の研修はどのような内容でしたか?
**長尾様:新聞やSNSなどからAIの情報は得ていましたが、その仕組みや正しい使い方、注意点までを体系的に学ぶ機会はありませんでした。今回の研修では、生成AIの基本原理からプロンプトエンジニアリングまで段階的に学べたことで、AIで出来ることの限界を知ることができ、「どこまでAIに任せられて、どこから自分で判断すべきか」**といった見極めができるようになりました。
特に印象的だったのは、AIがあたかも正しそうに“嘘”をつく「ハルシネーション」の性質を知れたことです。これにより、どのような出力を疑い、どう検証すべきかがわかるようになりました。以前であれば、精度の高い誤情報をそのまま顧客に提出していたかもしれませんが、今はリスクを最小化しつつ、より正確で信頼できるアウトプットを提供できる体制が整いました。
また、秘匿性の高い社内情報を担保したまま安全にAIを活用できる方法を学べたことで、安心して業務に組み込めるようになりました。さらに、プロンプト(インプット)の質によってAIの回答が大きく変わるという性質を理解できたことで、出力精度を高めるための試行錯誤が自然とできるようになったのも大きな収穫です。
こうした知見を得られたことで、AIを“なんとなく使うツール”ではなく、正しく使えば非常に心強いパートナーとして業務に活かせる、という意識に変わりました。
土戸:研修の進め方やサポート体制はいかがでしたか?
**本間様:**質問に対してリアルタイムで回答いただけた点は非常にありがたかったです。その場で自分たちの課題にピンポイントで応えていただけたことで、理解のスピードが上がり、学んだ内容をすぐ現場に応用することができました。
他社のeラーニングも検討しましたが、一方通行の動画視聴型とは違い、対話型の研修ではその場で疑問を解消できるため、学習効率が格段に高かったと感じています。実際に活用する場面を想定しながら理解を深めていけたので、より実践的な力が身についたと実感しています。
業務に起きた変化。文書作成からアイデア出しまで、広がるAI活用
土戸:研修後、業務にどのような変化がありましたか?
本間様:
議事録やレポート作成に伴う文書作成を大幅に効率化できました。これによりコスト削減が実現しただけでなく、内容への理解が深まった分、文書の品質も向上しています。生成AIを活用することで、担当者ごとの情報量のばらつきを抑え、一定の品質で安定したアウトプットが出せるようになったと感じています。
土戸:時間的な面での効果も感じられますか?
**本間様:**文書の評価や修正にかかっていた時間が大幅に減り、体感としては作業時間が半分以下になりました。最終的な成果物を調整する負担が減ったことで、他業務にリソースを割けるようになったのも大きな変化です。
土戸:原稿作成以外の活用例はありますか?
**長尾様:**はい。文書作成にとどまらず、企画段階のアイデア出しやページタイトルの作成、英文翻訳など多岐にわたる業務で生成AIを活用しています。
研修を受けたメンバーだけでなく、受けていない社員も自然にAIを使うようになり、チーム全体で「AIを業務の選択肢に入れる」という文化が根づいてきました。「これ、AIのほうが早いのでは?」といった会話が日常的に出るようになり、AIを使うことが特別ではなく、ごく自然な業務判断のひとつになっています。
単なる知識で終わらせない。プロジェクト推進に直結した研修の学び
土戸:研修の学びが、その後のプロジェクトや業務推進にどう活かされましたか?
山本様:実際の研修では海外の最先端のAI情報を共有し、AIにできること、できないこと、得意分野と不得意分野を明確に示していただけたことが、その後の業務改善策を検討するうえで大変役立ちました。
またAIプロジェクトの対象選定のポイントを教えていただけたのもよかったです。「イチかバチかになっていないか」「応用性・展開性・連動性の有無」「途中到達点でも何等かの便益があるか」は、まさにその後の業務改善アプリの開発を検討する際の判断基準となりました。実際にPhase1は、和文PDFからテキストを抽出する作業だけでも、当社にとっては制作フローの1工程の削減につながり、完成前に便益を実感できていました。「何を達成したいのか」を聞き出していただき、一緒に考えて、最終形の解像度を上げていただいたことも、開発リスクに対する不安の解消につながりました。
「AIが当たり前」の文化へ。そして次の挑戦へ
土戸:今後の目標をお聞かせください。
**長尾様:**既存業務の効率化はもちろん、生成AIを起点とした新しいビジネスや付加価値の創出にも挑戦したいと考えています。
**本間様:**生成AIを使いこなす力は、人をマネジメントする能力にも近いと感じています。AIも人も活かしながら、チーム全体の力を高めていきたいですね。
研修を迷っている企業こそ、一歩踏み出す価値がある
土戸:どのような企業に生成AI研修をおすすめしたいですか?
**長尾様:**人手で行っている作業が多い企業には特におすすめです。AIで代替できる業務は、想像以上に多いと思います。
**本間様:**すべての企業にとって有用だと思いますが、自社の専門領域に沿った使い方を学ぶことが重要です。パンハウスの研修は、その第一歩として非常に有効だと思います。
「AI活用文化を組織に根付かせる一歩を共に」
今回のウィルズ様との取り組みでは、研修を通じて、社員一人ひとりの「AI活用スキル」の向上だけでなく、「AIを活用する文化」を組織全体に根付かせるお手伝いができたことを大変嬉しく思います。
生成AIは、正しく理解し、業務に適切に取り入れることで、チームの力を最大限に引き出せる強力なツールです。
今後も、今回のように現場に即した実践的な研修を通じて、多くの企業の変革と成長を支援してまいります。
