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研修事例
インタビュー2025.05.14

【AI研修導入インタビュー】柔軟なオンライン研修でアウトプットまで導く──「生成AIを現場にどう落とし込むか」という難題を一緒に解決に導いてくれるパートナー―artience株式会社様

artienceがパンハウスの「生成AI研修」を導入。導入理由や現場の反応、活用促進に向けた工夫を詳しく伺いました。

左から

artience株式会社 グループ情報システム部 DX推進グループ

・寺田大地様

・髙橋純平様

ーなぜ研修が必要だったのか?──生成AIネイティブ500達成に向けて

──事業内容や提供サービスについて教えてください。

**寺田 大地さん(DX推進グループ):**artience株式会社は1896年に創業した、ファインケミカル素材の開発、提案を行う化学メーカーです。主な事業は、色材・機能材、ポリマー・塗加工、パッケージ、印刷・情報の4セグメントで展開されています。近年は、リチウムイオン電池材料やバイオサイエンス分野にも進出し、事業を多角化しています。2024年には「東洋インキSCホールディングス株式会社」から社名を「artience株式会社」に変更し、「感性に響く価値」を提供する企業へと変革を図っています。その中で私たちはグループ情報システム部のDX推進グループとして、全社的なDX推進支援や新たなデジタル基盤・ツールの導入、ソリューションの提供を行っています。

──サービス導入前に、生成AI活用においてどのような課題を抱えていましたか。

髙橋 純平さん(DX推進グループ): 社内でもChatGPTなどの生成AIへの関心が高まってきており、「使ってみたい」という声は多くありました。ただし、セキュリティへの不安もあり、生成AIの浸透に向けて、 3つのステップを考えていました。最初のステップとして、情報漏洩や学習のリスクがない独自の環境を構築し、その中でAIを利用できるようにすること。2つ目のステップとして、多くの社員が生成AIを徹底的に使いこなし、汎用的な業務の効率化・高度化を図っていくこと。最終的なステップとして、当社独自の回答やソリューションを提供できるようなAIシステム・アプリケーションを構築し、コア業務に活用したり新たな価値を創出することです。

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寺田

現在はステップ1からステップ2に移行しようとしている段階で、生成AI特有のリスク対応をしっかりと行いつつ、当社業務に活用可能な新たな生成AIプラットフォームを開発中です。一方その効果を最大限に発揮するためには、広く社員に利用してもらい、その活用スキルを向上させていく必要があります。当社では生成AIネイティブ500と銘打って、生成AI核人材層を200名、積極活用人材層を300名、3年間で創出する計画を打ち出しています。これに向けてどのような研修を社員に提供すれば広く社員が生成AIを業務で活用し効果を創出できるようになるのか、という点が課題でした。

ーパンハウスとの出会いと選定理由──“議論できる研修”への信頼

──「生成AI研修」を検討することになったきっかけは何でしたか。

髙橋

生成AI核人材層の創出に向け、どのような研修を広く社員に提供すべきか、と話していたタイミングでちょうどパンハウスさんからアプローチがありました。

──パンハウスの「生成AI研修」を選んだ理由を教えてください。

髙橋

東大の松尾研究室発という信頼性の高さが、まず大きな決め手になりました。実際に先行トライアルとしてDX推進グループと事業会社のメンバーとで研修を受けたところ、パンハウスさんのもつ知識の豊富さと技術力の高さを実感することができました。研修では、生成AIの基礎知識やプロンプトエンジニアリング、最新の技術動向、関連ツールの紹介など豊富なインプットに加えて、実際に当社独自の生成AIチャット環境(テスト環境)を使ったアウトプットの演習や課題発表会を実施いただき、非常に密度が濃いものでした。また、研修の中で多くのディスカッションの時間を取り入れていただき、そのインタラクティブ性が非常に好評でした。結果として、当社の業務における生成AI活用について解像度が上がりましたし、ご紹介頂いたツールによってより高度な活用の検証ができるようになり、新たな生成AIプラットフォームを構築していく上で非常に有意義なものとなりました。

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ー実際の研修と反響──初期は現場のニーズに応えることに「苦戦」

──今期artienceグループさんで実施されている研修内容は具体的にどのようなものですか。

寺田

パンハウスさんの研修は1.5時間×8回の研修が標準ということでしたが、各事業会社の社員に広く受講してもらうには少しハードルが高いということで、2週間に1度、2.5時間×4回という形式で実施頂けるようお願いしました。2025年度はこの研修を15ターム、計120人に提供します。受講者の選定については、各事業会社の経営部門や各部門長に協力を要請し、生産・技術・管理・営業など幅広い職種の社員を選抜してもらいました。研修内容は生成AIの基礎、プロンプトエンジニアリング、RAGや周辺技術・最新ツール、他社事例の紹介といったインプットと、受講者の業務課題を解決するためのプロンプト作成演習がメインです。

──受講者からの声はいかがでしたか?

寺田

実は初期は苦戦しました。講義の時間配分がツールの紹介をはじめとしたインプットの時間に寄りすぎており、受講者から「アウトプットの時間が少ない」という意見が上がってきました。実際の業務への適用イメージがなかなか持てなかったり、生成AIチャット環境の使いこなしや、その場で考えてアウトプットすることに苦戦する様子が見て取れました。そこでパンハウスさんにも相談させていただき、次の内容を取り入れてもらうようにしました。

  • どの受講者にも共通するような業務をテーマとしたドリルを準備し、アウトプットの時間を増やす(メール返信文作成、議事録作成、プログラミング生成、グラフ描画、各種アシスタント作成など)

  • 徹底的に活用してもらうために宿題を出す

  • 最終日に成果発表会を実施することを初回の講義で伝え、課題感を持って研修に取り組んでもらうようにする

結果として、研修後の満足度評価において3.6/5から4.6/5まで向上し、アンケートでも「AIリテラシーが確実に向上し、実際の業務に活用できるレベルにまでなった」と好評でした。

──サポート体制などで印象に残ったエピソードはありますか。

髙橋

やはりその柔軟性ですかね。当社が求める方向性に対して意見交換をしながら、研修内容を調整してくださったことについては大変ありがたく思っています。また各回で、必ず質問へのフィードバックや、アウトプットに対するフィードバックを頂けるので受講者からも好評です。

──実際に業務上で活用できた事例はありますか?

寺田

研修の最終日に行う成果発表会では受講者自身の業務を効率化・高度化するために作成したプロンプトを発表してもらっています。内容は海外からのメールに対する返信を作成するものや稟議書・報告書の下書きを作成するもの、経理処理や特許作成を手助けするようなもの、GASやVBAの作成など様々です。当社の業務に特化した内容かつ社内で汎用的な内容のものも多く、こういった事例を広く社内に共有することで生成AI活用の効果を最大化していきたいと考えています。作成されたプロンプト自体も研修で学習した内容を活かせており、研修の効果をしっかりと感じることが出来ています。

──生成AI活用に関する今後の目標を教えてください

寺田

まずは今年、当社独自の新たな生成AIプラットフォームをリリースしますので、各部門において徹底的に業務活用されるよう各施策を打っていきたいですね。今年度は、生成AI活用で2万1000時間の削減を指標としており、最終的には3年間で16万時間程度の削減を目指しています。汎用的な業務の効率化を実現した上で、重要業務でどのように生成AIを活用していくか、検討を進めていきたいと思います。

高橋

そのためにも、現場主導での活用だけではなく、我々の方からも社内向けのプロンプトテンプレートを公開するなど活動を広げ、社員全員がなんらかの業務に生成AIが活用できるように牽引していきたいですね。その際、パンハウスさんにもサポートしていただけると嬉しいと思っています。

──どのような課題を抱える企業に、生成AI研修をおすすめしたいですか。

寺田

生成AIの背景、技術、活用方法、事例など幅広く実践的に学べますので、生成AIを網羅的に把握したいという企業さんにおすすめです。また具体的な課題感があればそれに特化した形で研修を組んでもらえますので、高度活用に悩まれている企業さんにもおすすめだと思います。

髙橋

「とりあえず研修だけやる」のではなく、「現場にどう落とすか」まで伴走してくれるのがパンハウスさんの強みです。対話しながら進めたい企業さんには、とても心強いパートナーになると思います。

共創の歩みを未来へつなぐ

生成AIネイティブ500という壮大な挑戦をともに進める中で、artience様の探究心と現場志向が、私たちパンハウスにも新たな示唆をもたらしました。今後も「現場に落とし込む」実践知を磨き合いながら、貴社が掲げる16万時間の業務革新を実現すべく歩みを重ねてまいります。貴重なご示唆と熱量を授けてくださったことに、心より深謝申し上げます。